独立開業ができることで人気の行政書士ですが、試験としては合格率一桁という高い難易度を誇ります。
受験者全体の上位10%だけ合格できるというような相対的な評価ではなく、基準点を突破すれば合格となる絶対的な評価の試験であることを考えると、その難しさがより実感できるのではないでしょうか。
基準点を得点できれば合格できるのに、実際に合格できる点数を取れるのは受験者全体の10%前後というレベルの試験なのです。
ですが、逆にいえば基準点さえ得点できれば、全体で何位だろうと合格できるのが行政書士試験です。
この記事では、行政書士試験に残念ながら合格できなかった方の再チャレンジとしての「基準点を突破できる勉強法」について解説します。
なぜ合格できなかったのか考えてみる
まずは、なぜ今回の受験がうまくいかなかったのかを分析しなければいけません。
自己採点の後は、もう一度本試験の問題を確認してみましょう。
落ち着いた環境で考えることで、試験の振り返りができます。
- そもそも合格できるだけの知識が足りなかった
- 時間配分に失敗して問題を全部解けなかった
- 本番の緊張感に耐えられずパニックになってしまった
大雑把ではありますが、大体この3つのパターンに分かれています。
自分がどのパターンに当てはまるか確認して、同じ失敗をしないように対策をしていきましょう。
合格に必要な基礎知識を身につけることから始める
繰り返しにはなりますが、行政書士試験に何よりも大切なものはテキストに記載されている基礎知識です。
例えば、問題になっている条文はどういったケースを想定しているのか、判例の判断基準はなにか、などなど。
人よりも勉強したつもりなのに実際には得点が伸びなかった方は、基礎知識をしっかり理解しないままに難易度の高い問題の対策ばかりしていませんか?
ハイレベル問題集だったり司法試験の問題だったりいろいろあると思いますが、そんなレベルの高い問題の対策ははっきりいって不要です。
手持ちの問題集の内容を全て覚えてしまって勉強に慣れと飽きが出てきた方であれば気分転換に挑戦してみるのもいいと思いますが、そのレベルに達していない状況では高レベル問題の対策をするのは時間の無駄です。
その知識を覚えるのに使う時間を基礎知識の習得に使った方が結果として得点することにつながります。
レベルが高いとされる問題は、めったに出題されない知識が必要だからこそ難易度が高いのです。
その知識が確実に次回の試験で出題されるとわかっているのならともかく、出るのかわからない知識の習得よりも問われやすい知識を習得した方が効率的ですよね。
行政書士試験は徐々に難化していますが、テキストの基礎知識をしっかり押さえておけば合格できます。
再受験だから高レベルの問題の対策から始める、なんてすると逆効果です。
一度頭をリセットして、0からしっかり基礎知識を固めていきましょう。
本試験の環境に対応できるように慣れておく
時間をかければ正解できる問題だったのに、時間が足りずに解答できなかった。
本試験環境にパニックになってしまって本番では正解を選べなかった。
つまり、知識は十分であるのに本試験環境での練習が足りなかったケースですね。
このケースに当てはまる方は私がいうまでもなく対策はお分かりだと思います。
まずは過去問や問題集の問題を時間を区切って解く練習ですね。
最初の目安は1問3分です。しかし、本番では記述式もあり3分では全体の時間が足りなくなるので、最終的には1分半から2分以内に解答できることが目標です。
そして、本試験環境に慣れておくために予備校の模試を何度か受験しておきましょう。
自宅で受験できる模試もありますが、目的は本試験環境を経験することなので会場で受験してくださいね。
もちろん今まで覚えた知識を忘れてしまわないように、しっかりと日々学習をすることもお忘れなく。
まとめ
再受験に向けた勉強を始める前に、まずはなぜ失敗してしまったのか確認することが大切です。
知識不足だった人は、しっかりと基礎知識を固めていく。
本番環境での練習ができていなかった人は、模試も利用しつつ時間配分を意識した練習をする。
すぐには次回受験へのモチベーションが上がらないかもしれませんが、勉強を再開するまでにあまりにも期間が空いてしまうと今まで学んだことを忘れてしまいますので、年明けにはまた始めてくださいね。
今回の経験を無駄にしないように失敗してしまった原因はしっかり潰して、次回受験時には合格を掴み取りましょう。