行政書士試験では行政法の次に出題数が多く、攻略必須な法律が民法です。
まずは行政法と民法で得点できるようにならないと、行政書士試験の合格は厳しいです。
今回は、そんな超重要科目である民法の基本中の基本を解説していきます。
民法は私法の一般法・・・ってなんのこと?
法律には様々な分類方法があり、その中でもメジャーな分類方法に「公法」と「私法」という考え方があります。
民法は「私法の一般法」であるという言い方をよくするのですが、一体どういう意味なのでしょうか。
民法というよりも、法律の勉強の基礎知識として知っておきましょう。
公法とは
国の組織についてや、国と私たち国民の関係性について定めた法律を「公法」と呼びます。
行政書士試験の範囲では、憲法、行政法が公法に含まれます。
憲法のなかで人権について規定されていることを考えると、イメージしやすいですね。
私法とは
一般市民である私人と私人の関係について定めた法律は「私法」と呼ばれており、民法と商法・会社法が私法に含まれます。
民法では売買契約や婚姻について定められていますが、これはまさに私人間の関係についての定めですね。
一般法と特別法
ここまでで「公法」と「私法」についてはイメージが掴めたと思います。
では、残りの「一般法」とは一体どういう意味なのか、というと、一般的な関係を規定している法律のことをそう呼んでいます。
一般法と対比する分類に「特別法」というものがありますが、
これは特別の関係を規定している法律のことで、その関係においては一般法よりも優先して適用されます。
一般法が基本ルールで、特別法は特別ルールのイメージですね。
例えば、商法は商取引の分野における民法の特別法ですので、企業同士の取引には民法のルールよりも商法のルールが優先されることになります。
こういった特別な状況でのルールを規定している法律が特別法と呼ばれています。
民法は「私法」の分野における一般的なルールを規定している法律なので、「私法の一般法」と分類されています。
民法の構成
民法は大きくわけると
- 総則
- 財産法
- 家族法
の3つで構成されています。
さらに財産法は「物権法」「債権法」に、家族法は「親族法」「相続法」に分類されています。
図にするとこんな感じ。
総則
総則は民法全体を通してのルールですが、どちらかというと財産法に関わりが深いです。
ここでは「制限行為能力者」や「意思表示」、「代理」について定められています。
特に意思表示の規定は頻出ですので、しっかり覚えておきましょう。
財産法
財産法では、物権法として所有権や抵当権の規定があったり、債権法として契約の規定があったりと、私たちの財産についてのルールが定められています。
その中でも債権法は民法の中で一番出題されやすい分野です。
「抵当権」「登記」「賃貸借契約」などがポイント。財産法は時間をかけてしっかりと攻略しましょう。
家族法
家族法(身分法)には、家族についての規定が置かれています。
例えば「婚姻」や「親子関係」、「相続」ですね。
女性の再婚禁止期間に違憲判決が出たと数年前にニュースで話題になっていましたが、この再婚禁止期間についても家族法の中に規定が置かれています。
民法の出題数
民法の問題は例年5肢択一式が9問、記述式が2問出題されています。点数に直すと5肢択一式36点、記述式40点の合計76点です。
行政書士試験の合格基準点は180点ですので、もし民法を全問正解できたら合格点の4割は獲得できることになります。
もちろん、現実的には全問正解は難しいのですが、民法攻略が行政法についで重要だということがお分りいただけると思います。
また、法律の勉強が初めての方は、民法から勉強することで身近な題材で法律に慣れることができるので、そういった意味でも民法を丁寧に攻略していくことが大切です。
効率の良い勉強順については以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
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【行政書士試験初心者必見】勉強順で効率が上がるという話
勉強を始めたばかりの頃は、テキストに書いてあることが理解できなくて不安になることも多いと思います。 難しい言葉遣いの条文を見て、「法律って難しいから受験を辞めてしまいたい」と諦めてしまうのはもったいな ...
おわりに
今回は私法の一般法である民法の構成、出題数についてお話しました。
また、重要論点をポイントとして少し記載しましたが、実際には他にも重要論点は多くあります。
それは今後の解説の中でお伝えしていきますので、まずは民法がどのような法律なのかをざっくり理解しておきましょう。
それでは、たかゆいでした。
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